マインドファーストの相談部門「家族メンタルサポートセンターフォークス２１」では，自殺で大切な人を亡くされた人たちの支援のためのグループミーティング「サバイビング」と，ひきこもりに悩む家族支援のためのグループミーティング「おどりば」を，またそうしたグループミーティングの担当スタッフや，コンサルテーションを行うスタッフなどで構成した「相談員会議」を月に１回開催しています。グループミーティングでは，参加された人が安心して語れるように秘密は守られています。また参加される方の権利も守られています。語ることを強要されることはありません。相談員会議では常にスタッフの技術の向上に努め，適正な運営を確認しています。

現在，マインドファーストでは来年度の事業の準備を進めています。ひとつは「家族メンタルサポートセンターフォークス２１」の事業として個別の相談です。グループミーティングの参加者は，それぞれの事情や困難さを抱えて，個別の支援を必要とされる方も少なくありません。また児童虐待や夫婦間暴力など，夫婦間や親子の間で何かしらの問題を抱えている方や，問題があるのではないかと感じておられる方も少なくありません。そういった人の相談を始めるための準備を進めております。

こうしたグループミーティングや相談活動を安定しておこなっていくにあたって，人材の育成・確保はとても大切なことです。

家族の絆が非常にもろくなっている現代において，個人の抱えるメンタルヘルスの問題を解決していくためには，家族の機能を高めていくことが最も重要です。そこでふたつ目の事業として，前号の『マインドファースト通信』でもお伝えしましたように「ファミリーカウンセラー養成講座」を計画しています。講座を形ばかりのもので終わらせないために，私たちは現在，学習会を重ねています。より実践の場で活躍できる人材の養成を目的とし，まずは伝えたいことをどのような形で伝えるか？またそれぞれの参加者の方々に再発見や気付きの場になっていただきたい…。と考えて準備を進めています。

家族間でおこる問題が表面化することは少なく，家族の間だけで解決をしようとしたり，つい先送りをすることで解決が困難になることはめずらしくありません。あらゆる年齢の全ての人がその人らしく幸せに人生を生きることは，そんなに難しいことではないはずです。しかし現実はそうはならない。だとしたら一人ひとりの身近なところにもっともっと目を向けることが大切です。社会の最も基本となる「家族」の機能にしっかり目を向けていきたいと思います。