マインドファースト2010年度の新規事業
ファミリーカウンセラー養成講座 第1報
2010年5月に基礎コースを開講
マインドファーストでは,2010年度新規事業として「ファミリーカウンセラー養成講座・基礎コース」を開講いたします。
近年,自殺やうつ病,引きこもりや若年者の行為障害,児童虐待や夫婦間暴力など,さまざまなメンタルヘルスの問題の発生により,家族をとりまく状況が深刻化しています。長年の家族研究によれば,メンタルヘルス問題の発生要因として,家族が抱えるストレスから症状や不適応が始まったり,長引いたりすることも明らかになっています。「心の病気」の発症は,家族の関わり方に関係していることが少なくありません。
子どもの社会化と家族員の情緒的精神的安定を支える唯一の社会組織でもある家族の絆の弱体化が指摘されて久しい中,精神的健康の増進や不健康の予防と解消のために,家族機能の回復という視点に立ったヘルスケアスキームの構築は急務といえます。
こうした中でマインドファーストでは,来年度,ファミリーカウンセリングという視点で相談援助等の実務(プラクティス)を学ばれたい方を対象に,「ファミリーカウンセリング養成講座・基礎コース」を開講することになりました。すでに家族支援に関する実践活動を行っている方はもとより,地域で家族に支援を提供できる立場にいる方の参加をお待ちしております。家族支援に必要な知識や技能の基礎を修得することを目的に,少人数のグループによる質疑や演習を毎回とり入れ,6回シリーズで行ないます。受講修了者は,ご希望があれば,一定の条件のもとにマインドファーストでの活動や相談業務を行うことも可能です。
実施要領は下記のとおりです。詳しい募集要項は,2010年3月頃ご案内できる予定です。
日:2010年5月9日(日)開講 6回シリーズ
時間帯:13:30〜15:30
場:高松市サンポートホール会議室
受講対象:定員12名。(1)家族支援に関する実践活動を行っている方 (2)地域社会で相談活動をしている方で,家族支援のためのスキルを必要とされている方
受講料:20,000円(6回分,資料代を含む)
開催日 テーマとねらい
5月9日
(日)
I.家族カウンセリングの意義:家族を一つの単位としてとらえケアすること,心の健康と家族の関係,家族支援の意義などについて理解を深める。
5月30日
(日)
II.家族カウンセリングの理論と実際:家族カウンセリングを支える基礎理論を学ぶとともに,演習をとおしてこうした理論に基づいた支援の実際を習得する。
6月13日
(日)
III.家族の危機と危機介入:精神的不健康問題の予防と解決という視点で,危機にある家族のとらえ方,危機の克服過程,アウトリーチの意義などについて学ぶ。
6月27日
(日)
IV.児童思春期問題からみた家族:親子間のコミュニケーションや世代間境界の確立と父母の役割について理解を深めるとともに,子どもの社会化のために必要な支援の基本を学ぶ。
7月4日
(日)
V.精神疾患と家族支援:統合失調症,うつ病,嗜癖問題,身体疾患等を抱えた家族に対する心理教育とファミリーワーク(家族との協働作業)の基本を学ぶ。
7月25日
(日)
VI.家族の機能の再生とエンパワーメント:家族を総合的に支援するためのアセスメントの枠組み,家族機能を高めるための基本的スキルなどについて学ぶ。
第40回理事会報告
日時:2009年12月14日(月)午後6時30分〜9時00分
場所:高松市男女共同参画センター 第1会議室
議事の経過の概要
事務連絡および報告:省略
審議事項
議案1 ブロシュールの増刷について:省略
議案2 増刷分の冊子について:省略
議案3 個別相談に関すること:個別相談の場所として使用の見通しが立った物件については,提供者と当法人との間で建物賃貸借契約を締結すること,及び相談活動に伴う費用は,フォークス21賃金規定を適用することで了承された。
議案4 相談員養成プロジェクトについて:「2010年度ファミリーカウンセリング養成講座・基礎コース」として実施することが承認された。
議案5 「地域自殺対策緊急強化基金」を使った事業について:国の事業メニューの内容確認とそれにそった当法人の人材育成事業をはじめてとした素案が示され,2010年度事業において基金活用を前向きに検討することで了承された。
議案6 2010年度事業計画について:継続審議。
 編集後記:マインドファーストは,目下2010年度事業計画に取り組んでおります。なんらかのメンタルヘルス問題を抱えた人たちに対して,ある目的を持ち,一定期間継続かつ一貫してかかわって行くためには,スローガン的な行動目標ではなく,技術面の構築が欠かせません。来年度は,この分野における人材確保・人材育成が課題です。今年は,大変お世話になりました。来年も,マインドファーストをよろしくお願いいたします。(H)