会議報告

令和4年度香川県自殺対策連絡協議会

マインドファースト理事 森本雅榮

11月11日(金)14:00~15:20,令和4年度香川県自殺対策連絡協議会が開催された。関係諸団体,諸機関及び関係部局を代表する24名の委員の出席があり,マインドファーストからは理事長の代理として理事の森本が出席した。なお,コロナ禍の中,開催方法が従来とは異なりオンラインによるWeb会議であった。

香川県健康福祉部前田康行次長より自殺対策の総合的な推進を目的にしている旨の挨拶があり,その後,資料1~6に沿って順次担当者から説明がなされた。

  • 資料1.香川県の自殺の現状
  • 資料2.いのち支える香川県自殺対策計画の香川県における実施状況
  • 資料3.県内各市町自殺対策計画の策定状況
  • 資料4.自殺予防の相談窓口一覧
  • 資料5.令和4年度の自殺対策の取り組み
  • 資料6.第2期いのち支える香川県自殺対策計画骨子

資料1.香川県の自殺の現状に関しては,厚生労働省の資料から,自殺者数,交通事故死亡数,自殺死亡率が全国と比較して平成16年(2004年)度あるいは18年(2006年)度から令和3年(2021年)度までがグラフに表示されていた。令和2年度から令和3年度に関しては自殺者数は149人から141人に減少していた。交通事故死亡数との比較においては,自殺者数は依然と高く3,8倍であった。また死亡率(人口10万人当たりの自殺者数)は概ね全国平均を下回り令和3年度は15.2であった,なお全国平均は16.5であった。

香川県の年齢階級別自殺者数の推移に関しては令和2年と令和3年を比べると,男性は40代~50代,女性は20代が多く増加しており,男女とも10代は大きく減少している。過去5年間の年齢階級別自殺者数では特に男性の30~40代及び70代が多く,自殺者全体の男女別構成比は男性がほぼ7割を占めている。また年齢階級別死因順位・死亡

者数に関しては令和3年度は15歳~44歳までの階級では自殺が第1位であり,その他の階級においても2,3位であった。 警視庁の「自殺統計」は統計の仕方が異なるため厚生労働省とは数値が若干異なっていると説明があり,原因・動機に関しては多数の要因が複合的にあるので特定できるものではないが,と前置きをして男女とも健康問題,経済生活問題が多いとの説明がなされた。

  • 資料2.令和4年度10月31日時点での実施状況が12項目あったが抜粋して説明があった。
  • 資料3.資料4.に関しては特に説明はなかった。
  • 資料5.自殺対策の取り組みに関しては,14団体から順次説明があり,マインドファーストは9事業の内容について説明した。
  • 資料6. 第2期いのち支える香川県自殺対策計画 骨子(案)は,具体的に述べられた。平成18年10月「自殺対策基本法」が施行され,自殺は「個人の問題」から「社会の問題」へと認識されるようになり,これらを基に平成30年度の1期に続き令和5年度から令和9年度までのⅡ期5年間の数値目標を13.0以下,自殺者数を119人以下とする等の新たな計画が出された。(本計画期間は令和9年度末であるが,目標値の時点は計画期間中に評価するため令和8年としている。)またSDGs(持続可能な開発目標)の推進に関しては,17項目の内,以下の8項目を自殺対策計画の推進に関連するものとして位置づけている。
  •  1.貧困をなくそう
  •  3.すべての人に健康と福祉
  •  4.質の高い教育をみんなに
  •  5.ジェンダー平等を実現しよう
  •  8.働きがいも経済成長も
  • 10.人や国の不平等をなくそう
  • 16.平和と公正を全ての人に
  • 17.パートナーシップで目標を達成しよう

さらに自殺対策の基本方針5項目あるが6項目と「自殺者等の名誉及び生活の平穏への配慮」が追加された。また自殺対策における当面重点施策では,3(3)「コロナ禍における自殺等についての情報の収集」,8(4)「学校等での←


→事後対応の推進」,11(7)「若者の特性に応じた支援の充実」,(8)「家族・知人等への支援」, 13番目として新たに,感染症・自然災害等により精神的負担を抱えている人への支援を強化する,が設けられ,(1)「心のケアに関する相談体制の強化」,(2)「大規模災害における被災者の心のケア」,が掲げられた。各追加項目ごとの説明がなされた。以上の説明後,質疑応答となった。

令和2年度から令和3年度に関しては自殺者数は149人から141人に減少していたことは自殺対策としての成果ではないかとの質問に対して,日頃の各団体の努力であると述べた。また若者への相談窓口としてライン相談窓口(17:00~22:00)を新設したとのことで,具体的件数への質問に対しては,上半期で1000件を超えていたが,まだ詳しい集計には至っていないとのことであった。また活動員の養成講座への参加募集を行っているがなかなか人が集まりにくい,関心を持ってもらうためには募集に対する協力を要請したいとの質問に対しては,努力しているとの回答であった。

理事長の代理で出席した初めての自殺対策連絡協議会であり,緊張したオンライン会議であったが,一堂に会することで他団体の活動を知り得る良い機会となり,また今後の活動の励みともなった。

令和4年度三豊市ひきこもり支援対策協議会

マインドファースト理事 柾 美幸

11月2日(水)13時30分より,三豊市危機管理センター3F会議室にてひきこもり支援対策協議会が開催されました。その目的は,ひきこもり支援については様々な分野の担当部局が連携して包括的な支援体制を構築する必要があるということで,三豊市では今年度より開催するものです。参加者は26名,その立場は様々で,事務局(学校教育課・子育て支援課・介護保険課・福祉課)民生児童委員協議会連合会・保健医療機関(県精神保健福祉センター・西讃保健福祉事務所・市立みとよ市民病院)・福祉関係機関(三豊市社会福祉協議会)・労働関係機関(観音寺公共職業安定所・さぬき若者サポートステーション)・教育関係機関(三豊市小中学校校長会・県立高瀬高等学校)・当事者等を支援する団体(香川県オリーブの会・リトリートたくま)と多岐にわたっておりました。

まず,事務局各担当からの現状報告があり,その後参加各機関の取り組みについて報告と課題の発表がありました。今後の取り組みについては普及啓発について,三豊市サポートマップを作成し情報発信を行っていく計画です。

今回参加して,それぞれに「なんとかしたい」という思いがあること,点での活動が少しずつ繋がり始めているということが見えました。しかし線で繋がってはいるが輪になるためには今回のような会議があることは大きな意味を持つのではないかと感じました。その中でも義務教育終了後,高校進学後,そして中退や卒業後に所属が無くなってしまった時に支援が途切れることの無いようにどうすればよいのか?プライバシーの問題も大きく関係します。必要な人に必要な支援を届けるということのむつかしさ,何よりもそのような支援に関心を持ってもらえるようにするにはどうすればよいのか?多くのことを考える会議でした。終了の15時を過ぎてもその後30分経過しても参加されている皆さんは会場を出る気配が無く,それぞれが情報交換を行っていたのが印象的でした。

第225回理事会報告

日 時:2022年11月14日(月)19時00分~20時
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町 高松市本町9-3白井ビル403

事務連絡および周知事項,報告事項:省略

議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 会計に関すること(事前配布資料有)
島津理事長から,10月期の会計報告について,説明資料を基に報告があり承認された。

第2号議案 香川県NPO基金登録団体のPR原稿に関すること::PR原稿は従来のものを使用することで承認された。なお既に提出している団体は改めて提出は不要とのことである。

第3号議案 香川県共同募金会 テーマ募金に関すること:・山奥理事よりのメール:香川県共同募金会より,中央共同募金会はホームページに参加団体の一覧を紹介し,新たな寄付の仕組みを構築する旨の連絡があり,令和4年度テーマ型募金紹介申込書と活動内容の写真1枚を11月24日までに期日厳守で提出するようにとの連絡があった。この件に関する写真は昨年度「ありがとうメッセージ」で使用した写真を使う。・チラシ発送リスト:昨年度の発送リストをメーリングリストで送り,追加訂正をしてリスト完成を12/20までとする。カガミ文,添付文章は島津理事長が用意し,12月の理事会で決定する。・チラシ発送作業日:12/29(木)10:00~オフィス本町で行い,発送用の封筒,発送はAIYAシステムに依頼する。以上3点が了承された。

第4号議案 2022年度香川県地域自殺対策強化事業に関すること:ブロシュール発送:現在袋詰め200部あるが,12/29にさらに準備する。発送自体は来年2月をめどとすることで了承された。

第5号議案 「居場所づくり事業」に関すること:REPOS:現在居場所づくり企画運営委員会委員の人選を行なっているが,現段階では6名の定員に達ってしていないため,ファミリーカウンセラー会議において,追加募集を行うことで了承された。

第6号議案 オンライン会議のネットワークの構築に関すること:近いうちにAIYAシステムで見積もりを取ってみることで了承された。

編集後記:世界平和統一家庭連合(旧統一教会)問題を受けて,被害者救済法が国会で可決・成立しました。新法では,法人側が個人の「自由意思を抑圧しない」などとする配慮義務規定が盛り込まれました。法人の配慮義務に関連して,①個人の自由な意思を抑圧し,適切な判断が困難な状態に陥らせない②寄付者や配偶者,親族の生活の維持を困難にさせない③勧誘する法人名を明らかにするなどが明記されました。野党は,マインドコントロール(洗脳)下の寄付規制と罰則規定を主張しましたが,「内心に関わり定義困難」として見送られました。マインドコントロールとは,操作者からの影響や強制を気づかれないように,他者の精神状態や精神過程を操作して,操作者の都合に合わせた意思決定や行動へと導くことです。苦境や困難な状況の中で,宗教が役割を果たすことはあるでしょうが,近年,スピリッチュアルなものを求める人たちの中には,他者の暗示を受け入れやすくなっている人も少なくありありません。マインドコントロールには,様々なトレーニングで使われる認知行動原理と同じ技術が用いられます。人を困惑させて心理的支配下に置くことと医療・心理の分野で合法的に行われている支援活動との境目が見えにくいことも事実です。いずれにしても,人は上位者や権力者に操作され,自分の運命に対するコントロールが不能なパワーレスな状態に置かれると,不健康や病気の要因になると言われています。(H)