活動報告

高校生を対象とするこころの
健康出前講座 東讃保健福祉事務所

マインドファースト理事長 島津昌代

東讃保健福祉事務所が主催する「高校生を対象とするこころの健康出前講座」においてマインドファーストに講師の依頼があり,島津が志度高校(9/11)と寒川高校(9/18)に行ってきました。この講座の企画は,高校の要望に応える形で東讃保健福祉事務所が講師を派遣し,高校生にこころの健康についての意識を高めてもらうと共に,相談機関の存在を伝えるものです。

今回の対象は,志度高校が3年生116名で寒川高校が全校生475名でした。どちらも会場はまだまだ暑さの厳しい体育館でしたので,人間にとってのストレスを幅広く理解してもらうのには格好の環境だったかもしれません。

メインテーマを「こころの健康は誰のもの?」として,その中でこころと身体がいかに密接に関係し合っているか,どういったことがストレスとなるか,そしてそれらのストレスとどう関わり対応していくか,ストレスを強めやすいこころの癖について話しました。特に,寒川高校からは「こころの病を経験した人の話をききたい」という要望もありましたので,当法人のピアサポーター石橋みゆきさんからのメッセージを島津が代読しました。最後に,東讃保健福祉事務所の保健師から身近な相談機関が紹介されて,講座は終了しました。

これらの話を通して,どちらの学校の生徒さんからも「こころの病気は自分には関係のないことだと思っていたが,誰にでも起こり得ることがわかった」「ストレスを感

じた時のこころと身体の変化がよくわかった」「辛いのは自分だけではなく,大げさに考えていたことが少し和らいだ」「1人で抱えずに相談するようにしたい」「ヘルプを求めるスキルを身につけたい」等の感想が寄せられました。今回の出前講座が,進学や就職を控え,これから大人になっていく高校生に,自分自身の身近な問題としてこころの健康について考えていただく機会となったことをうれしく思います。

こころの健康出前授業

心の健康:ストレスって何?

マインドファースト理事 柾 美幸

2019年10月28日(月)10:30~11:15,県障害福祉課担当者参加のもと,多度津町立四箇小学校視聴覚室において,児童約60名,教師担任2名を対象に,出前授業を実施した。

パワーポイントを使い,心の健康とストレスの関係,ストレスを知ること,対処方法,セルフケアや相談の大切さについて解説を行なった。

児童だけではなく,教師向けに3種類のファクトシート,「若者を自殺から守るために」「ストレスマネジメント」「自傷行為を防ぐために」を持参した。

45分間という授業時間的制約から,教師との意見交換が充分とれず,校長への説明に留まったことが心残りであった。併せて「HOPE」のブロシュールと「リトリート」たくまのチラシもお渡しした。←


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諸会議参加報告

令和元年度高松市自殺対策推進会議

マインドファースト認定ファミリーカウンセラー 鎌野典子

2019年11月18日(月)高松市防災合同庁舎において高松市自殺対策推進会議が行われました。 この会議は「だれも自殺に追い込まれることのない社会」をめざし,自殺対策事業を相互的に推進するために設置されたものです。本年3月に高松市自殺対策計画を策定し,計画策定1年目の進捗状況の確認と情報共有,相互の連携をはかるためにひらかれました。

県・市の医療・福祉・保険関係団体,警察・労働等の関係行政機関と民間の支援団体としては当団体他,認定NPO法人グリーフワークかがわ,社会福祉法人香川いのちの電話協会の参加でした。静岡大学教授鈴江毅会長の議長のもと議題にそって話しあわれました。

まず自殺対策計画の進捗状況について事務局から報告があり,それから各団体の自殺に対する取り組みについて説明,問題,意見が報告されました。最近の自殺につながる問題としてネット依存の相談が急増しているという意見が多数の団体から報告がありました。また警察・労働現場・教育現場・病院等での相談をいかに他の団体と連携し自殺予防につなげていくかということも重要な課題であるという意見が出されました。その他には毎回議題にあげられる問題として,各団体との意見交換の場を定期的にもてないか,各団体の相談員スキルアップの必要という意見も発信されました。

それらをふまえ市からは現在取り組んでいる活動についての案内・報告がありました。毎年2月に自殺未遂者支援関係機関連絡会議が開催され,各支援団体の役割,連携について確認し,自殺未遂者・心の悩みやストレスをかかえ生きづらさをかかえている人々への円滑な切れ目のない支援ができることを目指していること,他には事例研究をもとにした実際の相談員の研修会,地域等の心の健康教室をとおしてのストレス解消の知識の普及,ゲートキーパーの啓発等に力を入れている等の報告がありました。

高松市の自殺者は低くなる傾向にあるとはいえ,様々な要因で自殺にいたるようになること,その人々の事情により関わる団体が多岐であることを考えるとますますの横の繋がり,連携が重要であることを感じました。

三豊市子どもの居場所づくり

ネットワーク構築のための意見交換会

マインドファースト理事 柾 美幸

2019年11月5日(火)14:00~15:30,三豊市豊中町農村環境改善センターにおいて,三豊市健康福祉部子育て支援課主催の標記意見交換会議が持たれた。参加者26名(三豊市職員3名,三豊市社会福祉協議会4名,香川県社会福祉協議会1名,NPO法人2団体4名,その他5団体7名,民生委員児童委員・保護司3名,児童館等4名)であった。

目的:三豊市では,三豊市社会福祉協議会と連携し,子ども食堂などの居場所づくりの活動の実践を通して,子どもの貧困,児童虐待,引きこもり等子供を取り巻く問題解決に向けた取り組みを行うため,地域で活動を行っている個人や団体などがつながる機会を設け,今後の実践に役立つ意見交換を行うこととした。

内容:出席者の自己紹介の後,意見交換へ進んだ。参加者のほとんどが子ども食堂を運営している人で,話し合いは子ども食堂に関することに終始した。そのため生憎,「リトリートたくま」に関する説明の機会が持てないままに退席することになった。

第188回理事会報告

日 時:2019年11月11日(月)19時00分~20時50分
場 所:マインドファースト事務局オフィス本町 高松市本町9-3白井ビル403
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 ユーザーの「居場所づくり事業」に関すること:11月3日と10日に開催された。12月は,担当者の山奥の都合により,1回の開催とすることで了承された。

第2号議案 テーマ募金に関すること:担当の山奥から示された「ふるサポ募金 テーマ募金紹介申込書」の案について審議が行われ,文中画像並びにメイン画像に,NPO認証取得10周年記念シンポジウム,世界メンタルヘルスデー街頭キャンペーン関連の写真を添付することで了承された。11月21日開催の香川県共同募金会テーマ募金連絡会議には,担当の山奥に代って吉田が出席することで了承された。

第3号議案 傾聴・相談力セミナーのブロシュールの発送に関すること:企業を対象としたセミナーを行なう場合,セミナーの費用負担とは別に,一般寄付も依頼することで了承された。標記ブロシュールの発送に際しては,寄付においては税制優遇措置に関する資料もあわせて発送することで了承された。

第4号議案 自殺対策事業のブロシュール発送に関すること:一部のブロシュールはリニューアルを待って,傾聴・相談力セミナー関連のブロシュールもあわせて発送することで了承された。

第5号議案 電話受理担当者のファミリーカウンセラー会議への出席要請に関すること:10月13日の理事・ファミリーカウンセラー・ピアサポーター合同会議において議論となった電話受理担当者の標記会議への出席は,定期的出席ではなく,その都度必要に応じて出席要請を行うことで了承された。

第6号議案 理事の補充に関すること:理事長から欠員となっている理事の補充に関して,具体的候補者に関する説明があった。理事としての要件としては,理事会への出席を第1条件とし,適任者は,総会を開催して承認を得ることで了承された。また,更なる理事の追加補充を行うさいに,社会経験や世間智も一つの要件として人材発掘を行なう必要性を確認した。

第7号議案 「リトリートたくま」の責任者の補充に関すること: 月4回の開催日のうち,1回を事務局担当の柾が責任者として対応してきたが,認定ファミリーカウンセラーの鎌野典子さんを責任者として確保できたため,香川県知事あてに,子ども・若者孤立化防止支援事業補助金変更事業計画書を提出することで了承された。

第8号議案 ホームページ会員ページへの諸規定掲載に関すること:ホームページ会員ページに法人諸規定を掲載することで了承された。

編集後記:日本を訪れていたローマ・カトリック教会のフランシスコ教皇は,11月24日,被爆地の長崎,広島両市を訪れ,「核兵器や大量破壊兵器を所有することは,平和と安定の望みへの最良の答えではない」と世界に向けて核兵器廃絶を求めるメッセージを発信しました。翌25日には,5万人が集まる東京ドームでのミサを執り行いました。ミサは,カトリック教会の中心的な祭礼で,本来,神に感謝する祈願です。この場でも教皇は,「日本は経済的には高度に発展した社会だが若者たちとの集会の中で気づかされたことがある。それは社会的に孤立している人が決して少なくなく,いのちの意味が分からず,自分の存在の意味を見いだせず社会の周縁に置かれ続けている」「お互いを支え,助け合う場であるはずの家,学校,コミュニティーが,利益と効率の追求における過度の競争によってむしばまれている」と述べました。政治が機能していたなら,教皇は,これほどまで踏み込んだ政治的発言はしなかったでしょう。(H.)