認定NPO法人マインドファースト

No.248 2026年1月号
 マインドファースト通信


年頭所感

変化の年のメンタルヘルス

マインドファースト理事長 島津昌代

2026年は丙午(ひのえうま)で,「情熱や変化,大きなエネルギーに満ちた年」とされています。十干の「丙」は太陽のような明るさや情熱,決断力を象徴し,物事を大きく広げる性質があり,十二支の「午」は健康や豊作,発展の象徴であり,交差や転換を意味するため,新しいことへの挑戦や飛躍のチャンスが多く,物事が大きく動き出す転換期という意味合いを持つのだそうです。

昨今,国内も国外も社会の情勢は変化し続けています。それらのニュースを見ていると「太陽のような明るさ」というのは感じづらいのですが,激動ともいえる変化は確かに各方面で起こってきています。国家間のことであれ,個人レベルのことであれ,多くは自分の利を優先して考えており,そのこと自体は当然なことと言えますが,そのために他者を犠牲にするのはあって良いことではありません。皆,それぞれに幸福を追求する権利はもっていますし,平和を望む気持ちも持っています。そういう意味では共通の認識・願いを持っていると思うのですが,そのためにどうするかということになると,いろいろ意見が割れて相容れることが難しくなる。大同小異という言葉は全体的に見ればほとんど差がなく,似通っている状態を指すわけですが,実際には小異にこだわって話がなかなかまとまらず,分断が進んでいます。小異にとらわれ過ぎると大同がいつの間にか後回しにされて,わかってはいるけれども気がつくと逆の事態に陥っているなどということが起こってしまう。こうした状態は私たちの心の負担を大きくします。

国家間であれ,個人間であれ,いろんな立場や信条をもちながら,それでもどこか折り合える点を見つけていくためには対話する力が重要です。この矛盾に満ちた状況の中で自分の心を殺さず,相手の心も殺さず,共に生きる道を探っていくことは何よりも大きな挑戦のように思います。譲歩することは負けることではありませんし,「塞翁が馬」ということもあります。先の見通せない変化の著しい時代を生きていくために,不安な気持ちに駆られて暴走することがないよう,ときどき立ち止まって心を整え,周囲の人と対話する時間を大切にしたいと思います。

本年も,どうぞよろしくお願いいたします。


【活動報告】2025年度心の健康オープンセミナー 「こころの病気とメンタルヘルス~知ることからはじめよう~」

マインドファースト副理事長・認定ファミリーカウンセラー 青木節子

2026年1月11日(日)丸亀町レッツカルチャールーム2において,標記セミナーを行いました。参加者は22名でした。

心の病気(精神疾患)については,一般に約2割の人が人生のある時期に何らかの精神疾患を経験されるといわれています。※1しかし,現在の日本社会では,精神疾患の病名を診断されることで,今までの人間関係が崩れてしまう事も少なくありません。新聞記事でも,何かの事件の容疑者に関して,精神科への通院歴があった等,記載されていることもあります。

今回のセミナーでは,はじめに,心の健康を損なう要因について解説し,次に,心の健康を損なった状態,つまり精神疾患について,日本でどのように扱われてきたのか,歴史的なもの,また,精神疾患の3つの視点について解説させていただきました。その中で,写真を提示し,それぞれの参加者の方の精神疾患への見え方も考えていただく時間を取りました。

そして,最後に,投薬治療以外の治療法ということで,「オープン・ダイアローグ」について,また,健康についての新しい考え方,疾病も非疾病も等しく健康の一部分であるという「統合医療」について,お話しさせていただきました。オープン・ダイアローグの場では,対等性・多様性・不確実性という要素の中で,人の話を聴くということ,傾聴が大切となります。安心・安全な場で,声を置いていく,声を重ねていく,短い時間ですが,ワークの時間を取らせていただきました。

今回のセミナーには,当事者の方・ご家族の方・支援者の方・一般の方,様々な立ち位置の方がご参加くださいました。講座後のアンケートでは,「話すより聴く方が難しいことを体感した」「自分の心の奥底に,受け入れたいが受け入れられないと感じている部分があると気づいた。」など,それぞれの気付きについて感想をいただきました。

人生の中で誰もがなりうる可能性のある精神疾患。「心の病気」「心の健康」「対話」について、まずは知る事。日常生活の中で感じる「あれっ?」という小さな違和感。その違和感をそのままにせず、立ち止まることも大切だと思います。当事者の方、ご家族さん、支援者の方、すべての方に、地域に暮らす生活者としての私たちに出来る事,また,家族として出来る事,自分自身を大切にする事など,それぞれに考えるきっかけとなったのであればうれしく思います。

ご参加くださったみなさま,ありがとうございました。

(※1 マインドファーストファクトシート『精神疾患の事実と誤解」より引用)[戻る]


報告

令和7年度JSCP(いのち支える自殺対策推進センター)  「自死遺族等支援団体向け研修・意見交換会」  自死遺族等支援における「総合的な支援」について  ~とうきょう自死遺族総合支援窓口の活動を通して~

認定ファミリーカウンセラー サバイビングスタッフ 中山真由美 木村宏子

2026年1月10日(土)13:00~15:30,いのち支える自殺対策推進センター(JSCP)による研修・意見交換会に,サバイビング担当者2名が参加させていただいた。まず,JSCP自死遺族活等支援室挨拶で,令和7年6月自殺対策基本法の一部を改正する法律公布で,「第21条 国及び地方公共団体は,自殺又は自殺未遂が自殺者又は自殺未遂者の親族等に及ぼす深刻な心理的影響,その生活上の不安等が緩和されるよう,当該親族等への総合的な支援を行うために必要な施策を講ずるものとする。」下線部改正の説明があった。

講義①は,自死遺族等が直面する様々な問題に対し,自死発生直後から心理的な影響だけでなく,生活面への影響も見逃さない総合的な支援とし,カウンセリング的アプローチとソーシャルワーク的アプローチの統合を目指す「とうきょう自死遺族総合支援窓口」(事業実施者は東京都,令和5年10月開始電話・メール相談対応)理事長による活動報告であった。変容の可能性・目標として,①感情が揺れることがあっても,安定した状態に戻ることができる。大きな苦痛を伴わずに故人を思い出し,偲ぶことができる ②社会とのつながりを再認識し,自分にできることを模索する。未来についてのビジョンを持つこともある。③身体健康の維持や回復に前向きになる。他者の健康にも気を配るようになる。④新しい人間関係の構築を目指す。停止していた活動を再開したり,新しい活動に取り組む。の4つを挙げていた。今後の課題として,電話・メール相談は相談の入り口としては有効である。ただ,死別後の苦悩・葛藤と折り合いをつけ,生活上の困難への対処をし,新たな生き方の再構築のためには,多方面にわたる支援や時間が必要な場合もある。対面での個別支援,場合によっては長期にわたることも視野に入れ,事業全体の再検討が求められているのではないか。と報告があった。引用された利用者の方の詩の中に,「分かるよ,ではなく,少しだけ理解したいと思って欲しい」という内容が書かれていたことが,印象的であった。

講義②は,自死遺族支援弁護団 事務局長 弁護士法人ライフパートナー法律事務所の弁護士による「法律による自死遺族支援」であった。特殊性として,①自死遺族自身がうつ病やPTSDとなり,様々な偏見に曝されたりする。②被相続人(故人)が抱えていた法的問題(複雑な危機経路)を相続するかという法的問題と,自死遺族固有の法的問題を同時に抱える。③手段(賃貸物件の中での自殺,鉄道への投身自殺,自殺の際に第三者を巻き込んだ場合)によって更に法的問題が複雑化する。自死遺族は,体調不良や偏見と闘いながら,複雑な法的問題を期間制限の中で,対応しなければならない。と説明があり,これについて,ケースを挙げて説明があった。

木村が参加した団体間グループ討議では,支援に繋げるために,ホームページの工夫や自治体との連携に加えて,自殺遺族が訪れる市役所窓口や葬儀社,自殺者発見する消防などにもリーフレットを置かせてもらう。遺族はずっと心の痛みを抱えていくので,継続できるようにしたいなど意見が交換された。中山が参加したグループディスカッションでは,様々な分野で活動する団体が,それぞれの活動内容について紹介を行った。自助グループ運営における共通の課題として,参加者が他の参加者へアドバイスをしてしまう傾向があげられた。対策としては“私は”を主語にするように促す。“言いっぱなし,聞きっぱなし”を原則とし,意見をしないことをルールとした。チラシやウェブサイトにもそのことを明記し,実施前に周知するなど対応策が共有された。また,遺族が直面するDV遺族による子どもの親権,医療機関の診断による不信感による思いなどの議論があり,様々な立場の人が課題を共有し,新たな取り組みにつなげるためもこのような意見交換会が必要であることを話し合った。最後のJSCP代表理事挨拶では,NPOライフリンクの活動を通して,チャットGPTに相談すると活動を紹介されたケースが増えていると説明があった。この研修会での学びを今後のサバイビングスタッフとしての活動に活かしていきたい。



第267回理事会報告

日 時:2025年12月8日(月)19時00分~21時40分

場 所:高松市本町9-3白井ビル403 オフィス本町

事務連絡および周知事項,報告事項:省略

議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 会計に関すること

青木副理事長から,預貯金通帳・現金出納の出入金について説明があり異議なく承認された。

第2号議案 技術援助に関すること

ゲートキーパー普及啓発事業として,2月25日(水)10:00~11:50に香川県消防学校での講師派遣依頼がきており,花岡理事と上田理事を派遣することが決定した。

第3号議案 共同募金テーマ募金に関すること

寄付金募集趣意書の記載内容について確認した。日付,QRコードを差し替えて印刷する。チラシ発送先のリストについては,14日(日)までに行う。発送作業は12月18日(木)13:30~とし,理事長からメーリングリストで周知することで了承された。

第4号議案 寄附金控除に係るマイナポータル連携利用に関すること

国税庁からの案内について審議し,現時点では参加しない方向で了承された。

第5号議案 来年度の事業予定に関すること

広報担当のAIYAシステムには3カ月分の開催日時および会場について事務局より連絡することになっているため,事業担当理事に確認した。なお,サバイビング会場の予約状況については四番丁コミュニティセンターに確認して7月までの予定をAIYAシステムに送付,担当者については次回以降に検討することで了承された。

第6号議案 ファミリーカウンセラー認定審査に関すること

認定審査面接の記録については,機密情報であるため,合否決定書のみ事務局で保管することを確認した。

第7号議案 理事・ファミリーカウンセラー・ピアサポーター合同会議に関すること

従来,新たに認定されたファミリーカウンセラーを迎えて認定後1カ月内に理事・ファミリーカウンセラー・ピアサポーター合同会議を行っているが,理事の都合や新規ファミリーカウンセラーの意向を考慮し,次回以降の理事会で日程を決定することで了承された。継続審議。

第8号議案 ファミリーカウンセラー養成講座に関すること

最近,夫婦カウンセリングの問合せが増えてきており,対応できる人材を育成するために基礎コースを修了してファミリーカウンセラーとなってからの研修,いわゆる「アドバンスコース」設置案が上田理事より提案された。スタッフの講座への関り方等,次年度の養成講座のあり方・進め方を検討する段階で「アドバンスコース」についても併せて議論していくことで了承された。継続審議。

第9号議案 心の健康オープンセミナーに関すること

2月22日の第2回オープンセミナー(13:30~15:00)はファミリーカウンセラー会議と日程・時間が重なっているため,会場はそのまま(レッツカルチャールーム)で15:30からファミリーカウンセラー会議を開始することで了承された。

第10号議案 おどりばに関すること

ファミリーカウンセラーのSさんがおどりばのスタッフに関心を示されている。グループミーティングの運営は原則2人体制であるため,ローテーションを組むことを検討する。そのためにもSさんにはファミリーカウンセラー会議への出席を呼びかけ,また,現スタッフの岩﨑氏と直接会って説明を受けてもらうことで了承された。また,他団体からの支援者がおどりばの活動見学を希望している件については,おどりばは開かれた会ではないため,原則として理事長を通して研修として参加を依頼する正式な手続きを踏むべきであるとの認識を共有した。

第11号議案 リトリートたくまに関すること

コンサルテーションについてスタッフへの連絡や進め方については,リトリートたくま担当の理事間(上田,植松,花岡)で詳細を詰め,事務局を介さず直接連絡を取り合うこと,参加された人の個人記録については,オフィス本町の鍵のかかるキャビネットに保管することで了承された。また,事務局より三豊市から公共施設料免除団体登録証明書が届いている報告があった。

第12号議案 傾聴・相談力セミナーに関すること

マインドファースト通信を見た会員からの輪読本購入に関する意見については,コピーを使用することは著作権上不可であり,各自購入するとしても発注後時間のかかることがあるため貸与できるよう購入しておくことが必要であるという認識を共有した。意見を寄せてくれた方には,次回のマインドファースト通信の理事会報告にて回答とすることで了承された。また,購入した輪読本については,オフィスの貸出簿に記入することが確認され,昨年度未返却の輪読本に関しては,理事長から会員に確認することで了承された。傾聴相談力セミナーのブロシュール配布先については,教育現場への浸透を目指し,教育委員会や学校保健課など,配布窓口について継続審議とする。

第13号議案 相談室の環境に関すること

相談室の絨毯が古く,複数人での相談に対応するため,敷き詰めるタイプの絨毯を購入する提案があり,購入が承認された。購入に関しては,小松理事が選定・購入(立て替え払い)を行い,領収書を事務局に提出することで了承された。

第14号議案 事務局・会計業務に関すること

会計(青木副理事長)より,お金に関する処理はミスを避けるため都度確認したいという意向が示され,都度確認が必要であることの了解を得た。また,旅費以外の事務費も上半期分を年末までに支払うことで了承された。

第15号議案 認定現地調査の指摘事項に関すること

3年以上会費未納の会員資格喪失に関する定款(定款通りに運用されていない)について指摘があった件について,定款の文言を「原則資格を失う」に変更する旨を男女参画・県民活動課に返答することで了承された。

第16号議案 書面表決と理事会招集に関すること

前回,理事会招集通知と書面表決の依頼が混同した事態を踏まえ,今後は意見募集メールと理事会招集通知を明確に区別し,招集通知は5日前に送付するなど,運用の改善について了承された。

第17号議案 次回の理事会開催に関すること

来月は定例の第2月曜日が祝日にあたるため,第3月曜である1月19日に開催することで了承された。

第268回理事会報告

日 時:2026年1月19日(月)19時00分~21時10分

場 所:高松市本町9-3白井ビル403 オフィス本町

事務連絡および周知事項,報告事項:省略

議事の経過の概要及び議決の結果

第1号議案 会計に関すること

青木副理事長から,預貯金通帳・現金出納の出入金について説明があった。花岡理事より,10月・11月の「心の健康づくり出前事業(善通寺市支援学校10/24,麻小学校11/26)」の講師料・旅費が未入金の可能性の指摘があった。事務局から障害福祉課へ確認することで了承された。

第2号議案 技術援助に関すること

ゲートキーパー普及啓発事業として,2月25日(水)19:00~20:30に香川県学校薬剤師会から講師派遣依頼がきており,島津理事長を派遣することで了承された。

第3号議案 共同募金テーマ募金に関すること

1月18日までのテーマ募金寄付について青木理事より報告があった。

第4号議案 心の健康オープンセミナーに関すること

1月22日開催の第1回の参加者は22名,当事者や支援者,関心のある一般市民の幅広い方の参加があったと青木副理事長より報告があった。次回は,2月22日開催予定。

第5号議案 理事・ファミリーカウンセラー・ピアサポーター合同会議に関すること

開催日時は,4月26日(日)のファミリーカウンセラー定例会議枠にて開催。新規認定者を含む顔合わせと,各事業の担当者からの事業説明を行うことで了承された。

第6号議案 おどりばに関すること

スタッフに関心のあるファミリーカウンセラーに対し,日程調整の上,岩﨑理事が手順等の説明を行うこととなった。現在会場で使用している木太北部会館の閉鎖に伴い,4月より木太北部コミュニティセンターへ会場を変更する。今週中に正式な使用申し込みを行うと岩﨑理事より説明があった。

第7号議案 リトリートたくまに関すること

三豊市より,参加者減少(特に市内居住者)の理由から令和7年度末での委託終了の通知があった。現状の課題として,現在利用している方への説明方法や,三豊市居住の参加者への対応を市に依頼すること,スタッフの遠距離移動(高松三豊間)による負担等,話し合われた。今後の運営方針と対応案として,開催場所の変更や,関連事業を含めた「居場所」の在り方を根本から検討し直す必要があることから,上田理事が取りまとめ役となり,リトリートたくまのスタッフ間で今後の方向性を話し合うための「第2回コンサルテーション」の日程調整を行うことが了承された。今後の運営継続と最終判断について,来年度上半期については現状のまま運営を継続。居場所の在り方を具体的に検討するため,「居場所作り企画運営委員会」を設置し,9月を目途に,リトリートたくまを継続するかどうかの最終判断を決定することで了承された。1/25のファミリーカウンセラー会議において,上田理事より同委員会の構成員(6名)を募ることで了承された。

第8号議案 傾聴・相談力セミナーに関すること

現在,傾聴・相談力セミナーWGの会の参加者は,会員外からの参加者も増えているなど上田理事から開催報告がなされた。(1)次年度,2〜3回程度の傾聴・相談力に関する養成講座の開催について検討をしていると上田理事より話があった。予算案等を作成し,来月の理事会で審議することで了承された。継続審議。(2)2/21〜2/22 京都同志社大学で開催される日本メンタライゼーション研究会学術集会に上田理事と中山氏が参加する。学会参加費(会員6,000円(上田)と非会員9,000円(中山)計1,5000円)は予算通り申請を依頼する予定。参加にあたり,中山氏のマインドファーストの名刺を花岡理事が作成することで了承された。(3)輪読本について購入した3冊は3名(石原氏・大平氏・植松氏)に貸出することになったので,残り2冊の購入手配をしていると報告があった。

第9号議案 ブロシュール等発送に関すること

全体発送日は,3/15(日)10:00~作業実施予定。準備作業として,宛名ラベル貼りや袋詰めが必要なため,2月下旬より事務局が開いている日を周知し,参加できる人で協力して順次進めることとなった。 在庫対応として, フォークス21,サバイビング,ホープのブロシュールが不足しているため,予算を確認し増刷(各1,000〜2,000部)を検討する。おどりばのカードについては,新規に10,000枚印刷予定。ファクトシートについては,今年度は新規作成せず,在庫補充の必要なファクトシートの増刷とする。傾聴相談力セミナーの周知を強化するため,新規発送先として,幼稚園等への発送リストを傾聴・相談力セミナーワーキンググループで検討し,対面での配布も考えていくことで了承された。

第10号議案 オフィス本町のZOOM環境に関すること

事務局青木より,会議の中断を防ぐため,団体としてZoom Proを月額約2,200円で契約することが提案され承認された。

第11号議案 NPO取得20周年・認定NPO取得記念イベントに関すること

(1)実行委員会を2/2(月)19:00よりオンラインで開催する。(2)企画案として,家族療法やオープン・ダイアローグをテーマとし,外部講師の招請も検討する。(3)会場として,サンポートホール高松 54会議室(定員120名)を候補とする。以上が,話し合われた。

第12号議案 HPの「マインドファーストの歩み」の更新に関すること

HP「マインドファーストの歩み」が,2018年で更新が止まっていることから,青木副理事長より内容の更新の提案があった。花岡理事より,詳細な記録は内閣府のNPOポータルサイトに掲載されているため,HP上には同サイトへのリンクを貼り,活動内容は簡潔にまとめる方針で検討することが提案された。継続審議。

編集後記: 1月22日,安倍晋三元首相銃撃事件で殺人や銃刀法などの罪に問われた山上徹也被告(45歳)の裁判で,奈良地裁は,求刑通り無期懲役の判決を言い渡しました。母親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)に1億円以上の献金をして,家庭の不和が極まったという生い立ちの不遇さは理解不能ではないとしつつ,生い立ちは犯行に大きく影響しておらず,酌むべき余地はほとんどないと結論づけています◆トルストイの名作『アンナ・カレーニナ』の冒頭に「幸福な家庭はどれも似たものだが,不幸な家庭はいずれもそれぞれに不幸なものである」という名言があります。そもそも「幸福な家庭」とはどのような家庭なのでしょうか◆「幸福な家庭」ではありませんが,「健康な家族」については,家族研究の結果,データが蓄積されています。例えば,J.M.ルイス,W.R.ビーバーズ,J.T.ゴセット,V. A.フィリップス(1976)は,家族機能を長期に研究した結果,個人の成長に関係する重要な家族の特性を明らかにしています。少し長くなりますが,その特性を紹介しておきます。①家族内の力の行使やリーダーシップのためには,優しく寛大なリーダーがいること。通常は,リーダーとしての父親のもとに,夫婦が情緒的に結びつき,柔軟に補完しあい,敵対的,支配的,服従的にならず,連携して行動できる。そして,家族の決定には,子どもたちが参加していること。②家族相互のコミュニケーションが自由で,自発的に考えたり感じたりすることができる。自己概念を伝達しあい,不確かさ,両価性,不一致に対して寛容で,自己価値を失うことなく試行錯誤が可能である。他者の主観的世界に敏感で,おせっかいや相手の世界へ侵入することがなく,尊重しあい,ユニークさを許容できる。虚心坦懐に,敬意を持って話し合いが行われ,創意に富んだ妥協を基本とした話し合いができること。③愛する人の離別や喪失などを受け入れることができ,夫婦の強力な関係が,家族を越えたより広がりのあるコミュニティとの関係を可能にすることができること。④家庭生活の中でのお互いの位置や役割が家族全員に共有されており,現実と密接に関連してその位置や役割を柔軟に変更することができる。時の流れと変化に対する現実認識があり,目的を志向した対話ができること。⑤家族の雰囲気は,慢性的な怒りを持ち続けるようなことはせず,ユーモア,優しさ,温かさ,希望,思いやりがあり,葛藤を表に現すことができ,それに共感することができること◆適応的な個人を育成する健康な家族モデルは,不適応な個人を輩出する病理的家族タイプに関する知見とは対照的です。したがって,これらの特性を理解することが不健康の未然予防や家族支援に役立つとされています◆そして,ある目的を持ち,一定期間一貫して支援が必要となる家族は次のような状態に陥っているときとされています。①家族のライフサイクルの移行期に直面するストレスや問題に対処しきれずホメオスタティック(恒常的)な均衡状態が崩れたとき。②情緒的な問題が一家族員だけでなく,家族全員に及んだと思われるとき。③提起された家族問題が深刻で,夫婦間,同朋間,あるいは世代間の葛藤があり,家族が機能不全に陥っているときなどとされます◆山上被告の不遇が量刑に反映されなかったことを疑問視する声も少なくなりませんが,ある時期に家族への適切な支援が行われていたら,被告とその家族の歴史は違ったものになっていたということは想像に難くありません。私たちの社会には,宗教的妄信や独善主義ではなく,確かな科学的根拠に基づいた家族支援が行える地域力が求められていると言えるでしょう。(H.)


目次へ