新理事就任のご挨拶

マインドファースト理事 上間勇治

盛夏の候,マインドファースト会員の皆様におかれましては,ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。

新理事就任にあたり,ご挨拶を申し上げさせていただきたく存じます。

この度,去る6月20日(月)に当法人の総会におきまして,新理事を拝命致しました上間勇治と申します。

新理事就任の経緯といたしましては,前任理事が事情により,任期 半ばで退任されたため,急遽後任理事が必要となりました。

そのため,島津理事長からの提案により,総会にて採決を諮り,満場一致 で可決され,新理事就任となりました。

任期に関しましては,前任者の残存期間となりますので,次回の総会までの1年程度となります。

着任させて頂けたことを心から光栄に存じますと同時に,その責務の重大さに身のひきしまる思いもいたします。

また,これまで長年にわたり当法人でご尽力いただいた理事長,副理事長,理事各位,ファミリーカウンセラー各位,正会員,賛助会員,また,寄付をしてくださった方々のご苦労やご功績に心からの敬意と感謝の意を表します。

微力ながら,精一杯役目を果たしていく所存ですので,なにとぞご高承のうえ前任者同様,会員の皆様方の温かいご指導とご鞭撻の程,よろしくお願い申し上げます。

さて,2015年度は皆さまのご協力により,認定 NPO 取得記念シンポジウム『次世代家族支援―幼児と若者―』を開催致しましたが,地域社会におけるメンタルヘルス活動をさらに推進していくため,また,その活動内容を広く知っていただく為の良い機会となりました。この場をお借りして,参加者並びに関係者各位にお礼と感謝を申し上げます。

更に今後もメンタルヘルスの推進と心のケアシステムの充実に向けて活動を行っていきたいと存じますがその取り組みの一環として,「世界メンタルヘルスデー」のイベントを新規普及啓発事業として行うことが理事会にて決定いたしました。

日本国内ではあまり知られていませんが,世界メンタルヘルスデー(世界精神保健デー,英: World Mental Health Day)とは,メンタルヘルス問題に関する世間の意識や関心を高め,偏見を無くし,正しい知識を普及するために定められた国際デー(記念日)の事です。

世界では毎年 4 億 5000 万以上の人が精神障害に罹患していますが, 精神保健的な問題を抱える人が必要な支援を得るのは依然として困難だと言わざるを得ません。

良質な精神保健ケアを受けたり精神的健康を保ったりするための日々の社会的活動を邪魔するのは,偏見と差別と情報の不足などです。

ですから,この機会を有効に活用してメンタルヘルスに関する認知度アップのため,また当法人に関する広報活動が効率よく行われるようにと強く願っております。

また,多くの県民の共感が得られるように「フェイス・トゥ・フェイス」を通して地域の方々と直接触れ合い,直接生の声をお伺いして,その結果として地域社会のニーズに更にお応えできる活動ができれば幸いです。

その為には,更なる会員各位のご協力ご支援が必要になりますので今後ともどうかよろしくお願い致します。

以上をもちまして就任のあいさつとさせていただきます。

10月10日は「世界メンタルヘルスデー」

毎年10月10日は,世界メンタルヘルスデー(世界精神保健デー:World Mental Health Day)です。WFMH(世界精神保健連盟:World Federation for Mental Health)が中心になって啓発活動が行われます。

2016年のテーマは,「メンタルヘルスにおける尊厳-すべての人に心理的及びメンタルヘルスの応急手当てを-(Dignity in Mental Health-Psychological & Mental Health First Aid for All)

以下は,WHOの”World Mental Health Day 2016”の要約です。

悲惨な出来事が起きたとき,わたしたちの社会では,被災した人たちに援助の手を差し伸べる機会があります。

わたしたちは,怪我をした人がいる事故現場に遭遇することもあれば,保健専門職や教師の立場で,家族が暴力を受け虐待死に至るような現場を目撃したと言う話を聞かされることもあります。災害救助や亡命希望者支援のスタッフやボランティアメンバーとして招集をかけられることもあります。

こうした場合に備え,困難を抱えた人たちに対する適切な援助を行なうために,心理的応急手当を学んでおくと役に立つことがあります。

WFMHは,「心理的応急手当」を2016年10月10日の世界メンタルヘルスデーのテーマとして選びました。今回のメンタルヘルスデーの課題は,保健専門家,教師,消防←




→士,ソーシャルワーカー,警察官など,援助者としての役割を取ることができる立場の人たちが,何よりも,実践的心理的援助の基本を大切にすることに狙いを置きたいと考えます。心理的応急手当とは言え,心理面と社会面,両面からの援助が含まれます。

一般的ヘルスケアが,身体面のケアだけでは成り立たないように,メンタルヘルス・ケアシステムも,心理的応急手当だけで成り立つわけではありません。

心理的応急手当は,危機による急性悲嘆反応にある人たちが,まず基本的援助を受けることができること,そして,心理的援助以外のニードを持った人たちが,身体的健康,メンタルヘルス,社会サービスなど,更なる援助を受けることを確実にするために,長期的取り組みの一環として提供されるものであることは,言うまでもありません。

(訳:花岡正憲)

第144回理事会報告


日 時:2016年7月11日(月)19時00分~21時00分
場 所:高松市男女共同参画センター 第7会議室
事務連絡および周知事項,報告事項:省略
議事の経過の概要及び議決の結果

第 1号議案  役員報酬規程に関すること:香川県から,当会の認定NPO役員報酬規程に金額を明記するよう指摘があった。担当理事が案を作成し理事会で審議することで承認された。

第 2号議案 今年度事業の担当に関すること:①事業ごとの担当理事及び担当者を決定した。一部,担当者未定の事業担当については,継続審議とすることで承認された。②相談支援事業及び教育研修事業は,担当理事が広報(ブロシュールの

発送等)も担うことで了承された。③相談支援事業の開催場所について,高松丸亀町商店街振興組合のカルチャールーム使用料減免による使用の可能性について情報提供があった。公益性が高い事業であれば無料で使用できるという情報もあるため,上間理事がネット上で情報収集したうえ,後日,島津理事長と中添理事が同カルチャールーム管理責任者と面談を行なうことで了承された。

第 3号議案 ユーザーの居場所作り事業に関すること:審議未了

第 4号議案 香川県ピアサポート講座に関すること:花崎理事個人あてに講座案内が届いた。講座は7月27日,8月31日,9月12日である。本講座に,花崎理事をマインドファーストから派遣することで了承された。

第 5号議案 相談記録の保管および新規相談従事者への対応に関すること:審議未了

第 6号議案 事業の広報について:審議未了

第 7号議案 家族精神保健相談員資格制度施行細則に関すること,第 8号議案 新規事業に関すること及び第 9号議案 マインドファーストの登録商標に関すること,以上審議未了


編集後記:7月26日に起きた障害者施設殺傷事件を受けて,国では措置入院のあり方の検討が始まっています。特に自民党が行おうとしている「措置後のフォローアップ体制」の強化という議論では,「犯罪をほのめかした人には,GPSを埋め込むという言うやり方がある」などという意見も出て,治安維持の色合いが強い法改正や制度いじりが出てくることが懸念されます。今回のケースは,措置入院制度や従来の精神科医療だけでは対応できない複雑で困難な心理社会的背景があることがうかがわれます。まず,容疑者がこうした犯行にいたった真相の究明が先でしょう。2001年6月に起きた池田小学校事件の被疑者は,死刑判決を受け,既に刑が執行されてしまいましたから,事件の真相は闇の中です。マインドファーストは,今回の事件を受けて,7月29日,緊急声明を発表しました。声明は,下記サイトに掲載されています。是非ご一読下さい。(H.)
http://www.mindfirst.jp/kinkyuu.html